こんにちは、ホウボウです。
普段はあまり見かけないけど、たま~に見かけてよく意味も分からないままスルーしがちなこの漢字「抄」に注目してみたいと思います。
実は意外と今でも使われているところでは使われている、立派な常用漢字です。
「抄」の成り立ち
まずは基本情報から。
抄
部首:て・てへん
画数:7画
音読み:しょう
種別:形声文字、常用漢字(準2級)
左側に「てへん」、右側に「少ない」という文字で、シンプルで意味も分かりやすい部類だと思われます。
「少ない量を手に取る」ということで、「抜き出す」「一部分を抜粋する」という意味があります。そういう意味では、会意文字(2つ以上の漢字の意味を組み合わせて作る漢字)とも呼べますが、ここでは、「少(しょう)」の音読みを取ってきているということで、形声文字(意味を表す漢字(意符)と音を表す漢字(音符)を組み合わせて作る漢字)としています。
法律用語としての「抄」
法律用語ではないかもしれませんが、この「抄」という漢字を見かける場面としては、法律の条文を掲載しているときなど、省庁のホームページでよく出くわす印象です。
法律はすべての条文を載せるとかなり長くなるものも多く、説明など普段の活用では一部抜粋することがほとんどですから、「○○に関する法律(抄)」というタイトルで掲載されることがむしろほとんどでしょう。
「抄訳」:原文の一部を抜き出して、その部分を翻訳すること。
「抄録」:原文から必要な一部分を抜き出して書くこと。
などのような熟語もあり、やはり「抜き出す」という意味で共通しているのがポイントです。
単位としての「抄」
また「抄」は、体積の単位としても使われています。
昔の日本で使われていた「尺貫法」の中で定められた単位で、現代の単位に換算すると1抄=約1.8mlとなります。ほんとにわずかですね。
ちなみに、10抄で1勺(約18ml)、10勺で1合(約180.4ml)となります。
1合という単位は、居酒屋で日本酒を頼む時に聞く人もいるのではないでしょうか。その時に出てくる「徳利(とっくり)」1本がちょうど180mlであることが多いですね。
おわりに
いかがだったでしょうか?
「抄」のような影の薄い漢字にスポットライトを当てて、実はこんなところで使われている(使われていた)んだという発見をするために、この「漢字意味図鑑」シリーズを始めてみました。
この記事を読んで下さったあなたも、ひとつ勉強になれば幸いでございます。
それでは、最後までお読みいただきましてありがとうございました!
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