【世界遺産】ベトナムが誇る鍾乳洞!フォンニャケバン国立公園

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ベトナム

こんにちは、ホウボウです。

今回の記事では、ベトナム中部の超巨大な鍾乳洞がある世界遺産「フォンニャケバン国立公園について解説します。

実際に訪れたときの様子もお伝えしますので、是非最後まで目を通してみていただければと思います!

それではさっそく見ていきましょう。

「フォンニャケバン国立公園」とは?

フォンニャケバン国立公園(Phong Nha-Ke Bang National Park)

分類:自然遺産  世界遺産登録:2003年(2015年範囲拡大)

国:ベトナム  登録基準:ⅷ、ⅸ、ⅹ

世界遺産に登録されるためには、以下の10項目のうちひとつ以上認められる必要があります。
  • (ⅰ)人間の創造的才能を表す傑作である。
  • (ⅱ)建築、科学技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展に重要な影響を与えた、ある期間にわたる価値感の交流又はある文化圏内での価値観の交流を示すものである。
  • (ⅲ)現存するか消滅しているかにかかわらず、ある文化的伝統又は文明の存在を伝承する物証として無二の存在(少なくとも希有な存在)である。
  • (ⅳ)歴史上の重要な段階を物語る建築物、その集合体、科学技術の集合体、あるいは景観を代表する顕著な見本である。
  • (ⅴ)あるひとつの文化(または複数の文化)を特徴づけるような伝統的居住形態若しくは陸上・海上の土地利用形態を代表する顕著な見本である。又は、人類と環境とのふれあいを代表する顕著な見本である(特に不可逆的な変化によりその存続が危ぶまれているもの)
  • (ⅵ)顕著な普遍的価値を有する出来事(行事)、生きた伝統、思想、信仰、芸術的作品、あるいは文学的作品と直接または実質的関連がある(この基準は他の基準とあわせて用いられることが望ましい)。
  • (ⅶ)最上級の自然現象、又は、類まれな自然美・美的価値を有する地域を包含する。
  • (ⅷ)生命進化の記録や、地形形成における重要な進行中の地質学的過程、あるいは重要な地形学的又は自然地理学的特徴といった、地球の歴史の主要な段階を代表する顕著な見本である。
  • (ⅸ)陸上・淡水域・沿岸・海洋の生態系や動植物群集の進化、発展において、重要な進行中の生態学的過程又は生物学的過程を代表する顕著な見本である。
  • (ⅹ)学術上又は保全上顕著な普遍的価値を有する絶滅のおそれのある種の生息地など、生物多様性の生息域内保全にとって最も重要な自然の生息地を包含する。

(出典:公益社団法人日本ユネスコ協会連盟HP「世界遺産の登録基準」)


  • 「フエの歴史(1993)」「ハロン湾(1994)」「古都ホイアン(1999)」「ミーソン聖域(1999)」に次ぐ、ベトナムで5番目の世界遺産
  • 約4億年前から形成されてきた、アジア最古の主要なカルスト地帯
  • 「フォンニャ洞窟」「ティエンソン洞窟」「ティエンドゥーン洞窟」など大小約300もの鍾乳洞があり、その地下湖や地下河川はラオス国境まで約65kmほど続いている
  • 「フォンニャ」とは「歯の洞窟」という意味。
  • 公園内の95%は豊かな原生林に覆われており、1000種類以上の動植物が生息している。
  • ベトナム中部の山奥にあるため公共交通機関では行きづらく、ベトナム中部の都市フエなどから出発している現地ツアーを利用して訪れるのがおすすめ

フォンニャケバン国立公園は、世界でも最大級の大きさを誇る鍾乳洞があることで有名です。

まさに自然が作り出す芸術と呼ぶにふさわしい光景が地下に眠っており、その広大さとともに世界有数の鍾乳洞であることは間違いありません

まず日本では見られない光景だと思いますので、ベトナムへ行く予定があって中部を訪れる機会のある方は、是非一度足を運んでみてください。一生で一度は見る価値ありです。

ただ、ベトナムを旅行する方の多くは、北部にある首都ハノイか南部にある街ホーチミン市を訪れることがほとんどだと思いますので、その場合は難しいかもしれません。

ベトナム中部で有名な街で、例えば、フォンニャケバン国立公園と同じく世界遺産にも登録されている町ホイアンや、最近急ピッチで開発されている海沿いのリゾート地ダナン、ベトナムの京都とも言われる昔王朝があった古都フエなどに行く場合は、十分フォンニャケバン国立公園へ向かうことができます。一日時間を取ってツアーに参加してみることをおすすめします。

カルスト地形と鍾乳洞

ここで、鍾乳洞についても少し解説しておきましょう。

日本にも有名な日本三大鍾乳洞というものがあります。

山口県の秋芳洞あきよしどう、岩手県の龍泉洞りゅうせんどう、そして高知県の龍河洞りゅうがどうです。

特に山口県の秋芳洞は、秋吉台あきよしだいという場所とともに紹介されることも多く、聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。

そしてこの秋吉台という名前には「台」という文字が使われていますが、この場所は日本でも最大級の「カルスト台地という台地になっています。

カルスト台地とは

カルスト台地とは、石灰岩など水に溶けやすい岩石でつくられた土地が隆起して、雨水などで浸食された穴などの特徴的な地形がみられる、(平坦な)台地のようになっている場所のことです。

昔サンゴ礁などがあった暖かい海の場所で土地が隆起すると、石灰岩の多い土地が生まれます。

そこに空気中の二酸化炭素を含んだ雨が降ると、化学反応が起きて石灰質の部分が溶け、ドリーネと呼ばれる窪地ができたり、地下では鍾乳洞が形成されたりします。

ちなみにこの「カルスト」という言葉は、このような地形をもったスロベニアのカルスト地方に由来します。

そして、このカルスト台地がある場所にこそ、大きな「鍾乳洞」があることが多いのです。カルスト地形と鍾乳洞はセットで覚えておきましょう。

フォンニャケバン国立公園も、世界的に有数なカルスト地形を有しています。しかも4億年以上前に形成されており、アジア最古とも言われます。

こういった広大なカルスト地形を持つ場所の地下に、壮大な鍾乳洞も形成されます。300もの洞窟がある地点でそのスケールの格の違いが分かるのではないでしょうか。

その中でも、「天国の洞窟」とも呼ばれている「ティエンドゥーン洞窟」は徒歩で回ることもでき、SF映画さながらのめちゃくちゃ広い洞窟の中を進んでいく貴重な体験ができるのでおすすめです。

それでは、実際にそのティエンドゥーン洞窟へ足を運んでみたときの様子を見ていきましょう。

フォンニャケバンツアーに参加してみた!

公園入り口では、ハリウッドのような看板がお出迎え

フォンニャケバン国立公園までは、フエなどの近くの都市からツアーが出ているので、滞在しているホテルやその近くのツアー会社などで調べてみるといいでしょう。

今回は、フエで滞在していたホテルの方に紹介していただいたバスツアーに参加しました。

フエから行く場合は、休憩等を入れながら片道4時間ほどかかります

朝8時ごろバスで出発して、お昼休憩などを1時間挟んで到着すると、もう13時30分くらいになります。1日がかりのバスツアーになることは頭に入れておいた方がいいでしょう。

今回はバスガイドさんが気さくな男性の方で、南北ベトナムの境界の話やベトナム人の懐事情といった面白い小話に、途中でカラオケコーナーを設けたりしていて、割と退屈することなく移動できました。

英語でガイドされても分からない人やカラオケみたいなノリはマジで無理という人は寝ていれば大丈夫です。このとき私と同行していた友人はそうしていました笑。

バスが入れる駐車場から洞窟入り口までは電動カーで移動します。

バスはフォンニャケバン国立公園の駐車場まで連れて行ってくれますが、洞窟というのはたいていの場合山の中にあり、そこまでバスが入れることは滅多にありません。

ここからは徒歩で移動するのですが、最初は小さな電動カーで15分ほどかけて洞窟の近くまで連れて行ってくれます。もちろん徒歩でも移動できますが、電動カーを使用したほうが圧倒的に楽です。

そこから先はひたすら階段や坂を登り、景色が良くなってきたところで洞窟の入り口に到着します。意外と大変かもしれませんので、歩きやすい靴で来るのがベストです。欧米人とかは普通にサンダルで来てたりしますけどね・・・。

洞窟の入り口付近には、休憩ができるスペースもあります。

いよいよ鍾乳洞の中へ!

ティエンドゥーン洞窟の入り口。結構急で狭いので注意が必要です。

それではついに鍾乳洞の中へ入っていきましょう!

入り口は上の写真を見れば分かる通り、かなり急な階段で頭もぶつけそうなくらい狭いです。洞窟の中に入ってしまえば、広々とした空間しかないので大丈夫ですが、出入り口だけは気をつけるようにしましょう。

むしろ人によっては、探検のスタートみたいで興奮する方もいるかもしれません。足元や頭だけは注意して、はしゃぐようにしましょう。

鍾乳洞の入り口から降りてくる途中の景色。
ライトで照らされた歩道が奥まで永遠に続いています。

さあ、鍾乳洞の中へ入ってきました。

入り口から入るとしばらく階段を降り続けますが、そこで見える景色にきっと訪れた誰しもが驚くはずです。

写真でも雰囲気は分かると思いますが、あのディズニーでも作り出せないような地底の世界がそこには広がっています。

本当に広大な洞窟で、ライトが照らされた部分が歩道になっているのですが、遠く彼方まで続いている光景が広がっています

これだけは実際に足を運んだ人だけが味わえる感動だと思いますので、是非機会があれば直接感じてみてほしいものです。きっとベトナムに来てよかったと思うはずです。私は思いました。

鍾乳洞もSF映画のようなものばかり。
本当にこんな光景がこの世に存在するんですね・・・

鍾乳石ももちろんハイクラス。

ちょっとしたビルくらいの高さの鍾乳石が、綺麗な氷柱状になって伸びているものをたくさん見ることができます。

本当に異世界という感じで、ライトアップも相まってとても美しい光景を心から楽しむことができました。

せっかくなので、写真をふんだんに使って永遠に続いているような歩道から見える景色を再現してみました。

これは世界遺産にならない方がおかしいレベルの鍾乳洞です。

今回訪れた「ティエンドゥーン洞窟」は、洞窟の中を歩いて見て回ることのできるおすすめの洞窟です。ライトアップも綺麗ですしね。

洞窟入り口から往復で30分以上はかかる壮大な鍾乳洞になっていますので、ちょっとした探検が好きな方やこういったアクティビティを楽しみたい方は是非訪れてみてください。

おわりに

フォンニャケバン国立公園は、鍾乳洞として本当に感動するレベルのものを見ることができる世界でも有数のスポットです。

自然が作り出す壮大な芸術を目にしたい方、日本では絶対に見ることのできない規模の洞窟や鍾乳石に触れたい方には、間違いなくおすすめできます。

ベトナムなどへ旅行する際にはぜひ検討してみてくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

参考文献
  • ダイヤモンド社『地球の歩き方D21ベトナム2018~2019年版』(2018)
  • 世界遺産検定事務局『世界遺産大辞典(上)』(2018)

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