グーテンターク!どうもホウボウです。
2020年3月24日(火)、オリンピック史上初となる東京オリンピックの延期が決定し、世界各国のメディアでもその事実が広く報道されたようです。
そこで今日は、この「東京オリンピック延期」というドイツ語記事を使って、「verschieben(延期する)」という単語を中心に学んでいきたいと思います。
それではさっそく見ていきましょう。
今回の記事「東京オリンピック、2021年に延期」
まずはいつも通り、記事タイトルと冒頭の部分を見ていきます。
Olympische Spiele auf 2021 verschoben
Der japanische Ministerpräsident Shinzo Abe und IOC-Präsident Thomas Bach sind sich einig, dass es angesichts der Corona-Krise keine Alternative dazu gibt, die Spiele in Tokio ins kommende Jahr zu verlegen.
東京オリンピック、2021年に延期
日本の安倍晋三総理大臣とIOCのトーマス・バッハ会長は、コロナ危機を踏まえ、東京大会を来年へ延期する他ないという意見で一致しました。
今回のタイトルはとても簡単ですね。
延期の事実を知っていれば、ドイツ語を全く知らない人でもどんな内容の記事か推測できるのではないでしょうか?
今回注目するのは、「verschieben(延期する)」という単語です。
キーワード「verschieben(延期する)」
コロナウイルスの感染急拡大で、ついに東京オリンピックの延期が決まったわけですが、中止はあっても延期はいままでに前例がなく、史上初の延期開催となりそうです。
その「延期する」「引き延ばす」というドイツ語が、タイトルの中にもある「verschieben」です。(タイトルでは、過去分詞verschobenの形が使われています)
ドイツ語をある程度やっている人なら共感してもらえると思うのですが、ドイツ語の単語は、別の単語を複数組み合わせたものが非常に多いです。
ある意味システマチックなので、組み合わせている元の単語を知っていれば、知らない単語でも容易に推測することができます。
今回の「verschieben」も、「ver-」と「-schieben」に分けて考えてみましょう。
実際にどのように分けたらいいのか?については、そこはやはり慣れだと思いますので、たくさんのドイツ語文章を読みましょう!ヒントとしては、「前置詞+動詞(名詞/形容詞)」のような形が多いと思います。
- ver:接頭辞「移動」の意味がある。似た例としては「versetzen(他の場所へ移す)」
- schieben:動詞「押して動かす」
どうやら分解してみると、「押し動かす」という意味が根本にあるようですね。
これが分かるだけでも、「verschiben」が「延期する」という意味になるのも納得がいくと思います。
今回の例でいえば、もともと2020年7月24日に開催が予定されていたオリンピックを、スケジュールごと「押して動かす」ことで延期するというイメージですかね。
このように、自分の中で単語を分解してみて、その分解された単語の意味さえ分かれば、意外とドイツ語の単語はそこまで難しく感じないはずです。よく使われている基本的な単語を見つけて、その単語の意味だけでも深く知っておきましょう!
「verlegen」も「延期する」という意味
また、文中に出てきた「verlegen」もここでは「延期する」という意味で「verschieben」と同じように使われています。
さっそく、先ほども見てきた「分解」を駆使してこちらも意味を考えてみましょう。
- ver:接頭辞「移動」の意味がある。
- legen:動詞「置く」 英語で言う「put」で超基本的な動詞。
「移動して置く」というニュアンスをなんとなく感じましたでしょうか?
こちらも「延期する」という意味がすっと入ってくるようになったのではないでしょうか。
是非、ドイツ語を読むときはこの手法を活用してみてください(*^▽^*)
「es gibt ~」構文をすぐに見つけられるようにしよう
ドイツ語の文章は、構造を捉えるのがすべてといってもいいほど、構造がややこしい傾向にありますが、記事文章中のカンマで区切られたこの個所を見てみましょう。
… dass es angesichts der Corona-Krise keine Alternative dazu gibt …
コロナ危機を考慮すれば、他の選択肢はありません。
どんなに構造が難しくても、ひとつひとつ紐解いていけば読み下せないことはほとんどありません。
今回は、黄色いマーカーで示した箇所「es gibt~」構文だけでも気付けるようにしましょう。
ドイツ語でも非常に基礎的な構文のひとつです。
この構文は、ドイツ語の文章などでとても頻繁に使われているので、一つ一つの意味にこだわらずセットで覚えておきましょう。
ひとつの文の中で、「es」と「gibt」と「4格の形になっている名詞」を発見したらまず間違いなくこの構文です。パッと見つけられるようにしておくと便利です。
今回の記事でも登場していますね。
記事の文章の中でも構文に必要最低限のものだけを抜き出してみましょう。
Es gibt keine Alternative.
他の選択肢はありません。
動詞の「gibt」が文構造上最後にあって分かりづらいので、通常の文に戻して2番目の位置に持ってきています。
また、ドイツ語は名詞であれば固有名詞でなくとも最初のアルファベットが大文字なので非常に分かりやすいですね。上の文で4格の形になっているのは「keine Alternative(代替案がない)」だけです。
記事の文をシンプルにすると上のようになり、Es gibt keine…(そこに存在しない;「keine」は否定の不定冠詞)、Alternetive(他の選択肢)ということで、「他の選択肢はない」という意味になります。
「あるのかないのか」「存在するのかしないのか」を示すときによく使われますので、是非ともこの「es gibt~」構文は早めに慣れておきましょう!
IOC会長「トーマス・バッハ」とは?
最後に、IOC(国際オリンピック委員会)会長であるトーマス・バッハ氏についてです。
というのも、もともとはこの方ドイツのフェンシング代表選手で、ドイツにゆかりのある人物だからです。
最近テレビでもよく見かけると思うので、名前にも親しみが出てきましたよね。
第9代IOC会長を務めており、1976年モントリオールオリンピックでは、当時の西ドイツ代表としてフェンシングで金メダルを取った実績があります。金メダリストとしては初めてのIOC会長だそうです。
東京オリンピックは延期により、リスケジュールが大変だと思いますが、無事に開催できるよううまく各団体や業界のバランスを取って率いていってほしいものですね。
おわりに
いかがだったでしょうか。
東京オリンピックの開催延期は、史上初とのことですが、来年もコロナウイルスが終息している保証はなく、本当に実施できるのかはまだまだ分からないですね。
今回は、基本的な構文などに着目して記事を読んでみました。基本的な単語や構文はふとした時によく見かけますので、しっかり頭に入れておきましょう。
文法もある程度理解しているけど、まだまだ文章が読みづらいという方は、痒い所に手が届く『中級ドイツ語のしくみ』という本もおすすめです。
細かいニュアンスなどを中心に詳しく解説されていますので、ドイツ語の文章を読み解くときにきっと役に立つはずです。初心者でも十分読める難易度ですので、是非一度見てみてください。
それでは最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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