【ドイツ語】即位礼正殿の儀をドイツ語で読む

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ドイツ語

グーテンターク(Guten Tag)!どうもホウボウです。

2019年10月22日火曜日。

令和元年だけの特別な日として、「即位礼正殿の儀」という祝日がありました。

世界各国から国王などの元首が招待され、天皇陛下の即位を自ら国内外に宣言されました。

国王の戴冠式や即位というのは、そう頻繁にあるものではなく、また日本の天皇は数千年単位で続いている歴史のあるものだからか、各国のメディアでも大きく報道されています。

そこで今回は、ドイツの国営放送局「Deutsche Welle(ドイチェ・ヴェレ)」での記事を参考に、どのような報道がされているのかを見ていきましょう。

  • Deutsche Welle(ドイチェ・ヴェレ)の記事「Japans neuer Kaiser besteigt den Thron」を引用します。
  • 「即位礼正殿の儀」が海外からどのように報じられているかが分かります。
  • ドイツ語学習としてもおすすめできる内容です。(基本文法は学習必須)

【解説1】記事のタイトル

まずは記事のタイトルから見ていきましょう。

記事全文を見たい方は、下のリンクからご覧ください。

Japans neuer Kaiser besteigt den Thron | DW | 22.10.2019
Knapp ein halbes Jahr nach seiner Amtsübernahme hat Japans neuer Kaiser Naruhito seine Inthronisierung verkündet. Die jahrhundertealte Zeremonie fand vor 2000 W...
タイトル

Japans neuer Kaiser besteigt den Thron

(日本語訳:日本の新天皇が即位)

非常にシンプルなタイトルですね。事実を淡々と伝えている感じがあります。

ただ、実際に現在の徳仁(なるひと)天皇が即位したのは2019年5月1日であり、この記事が出された10月22日はそれを宣言しただけなので、若干ミスリードなところはありますが、まあ「海外に向けて宣言をした=海外の人から見た即位」と考えるのは自然なことなので、ここでは置いておくといたしましょう。

文構造

さて、まずは文構造の説明です。

とても簡単な文構造をしているタイトルなので説明は不要かもしれませんが、一応「主語」「述語」「それ以外」に分けていきます。

Japans neuer Kaiser besteigt den Thron

   主語:日本の天皇      動詞:乗る  目的語:王座に

ドイツ語の文章を読むときは、この文構造を捉えることが最も重要です。

特に、どれが「主語」でどれが「述語(動詞)」なのかを見抜けなければ、とても正確に読むことはできません。

ドイツ語は単語の長さも長く、少し専門的な言葉ですが「枠構造」など英語にはない文構造もあり、複雑になっていることも多いです。

まずは、上のようにパッと頭の中で色分けできるようになると、ドイツ語の文章もうまく読めるようになります。

このタイトルでは、述語である動詞が「前から4番目」の単語(besteigt:乗る)であると気付けるかがポイントです。

通常、ドイツ語の文章で決まっているのは、前から2番目の「要素」が「述語(動詞)」であるということだけです。

英語であれば、たいてい最初に主語が来ますが、ドイツ語では文の先頭に主語が来ないパターンも数多くあります。主語どころか、前置詞句や目的語など何を先頭に置いても構いません。

ただし、2番目は「述語(動詞)」というのは決まっているので、述語が文章の中のどこにあるかさえ分かれば、その文構造も見やすくなります。

今回の場合、1単語目~3単語目までは「主語」を構成しています。

3単語目の「Kaisar(天皇・皇帝)」が核で、2単語目の「neuer(新しい)」は形容詞として修飾、1単語目の「Japans(日本の)」はさらに名詞の所有格化によって2・3単語目を修飾しています。少し難しいと思うので、この解説は後ほど。

最後の5・6単語目は「目的語」を構成しています。

4単語目の「besteigt(乗る)」ってどこに乗るの?ということですね。

「den Thron」で一単語のように考えてもらうと分かりやすいのですが、英語に直すと「The Throne(王座)」となります。

5単語目の「den」は英語の「The」と同じで、定冠詞という扱いですが、英語と異なり、動詞との関係や後に来る名詞によって形が変化するので注意が必要です。

この「den」は、

①後に来る6単語目の名詞が「Thron(王座)」という男性名詞であること

②「~に乗る」という場合、動詞の「besteigt(乗る)」の後は4格がくること

の2つによって決めることができます。

【参考】ドイツ語定冠詞の変化表

 上の参考を見ると、確かに男性名詞の4格は「den」になっていますね。

ちなみに、「besteigt」は「”~に”乗る」という動詞なのになぜ3格ではないのか?という疑問を持つ人もいると思います。

変化表にある、3格の「~に」や4格の「~を」はあくまで参考であって、動詞ごとにどの格が使われるか決まっているので注意が必要です。

大学など、専門的なドイツ語の授業では、この格の使い方を覚える練習がたくさんあります。それくらい重要なので、動詞を覚える際にはどの意味でどの格を用いるのかセットで確認していくといいでしょう。

主語について

1~3単語目が主語になります。

主語の核はもちろん「Kaisar(天皇・皇帝)」ですね。

今回は「新しい」天皇というニュースなので、前に「neue(新しい)」という形容詞が付きます。

「Kaisar(天皇・皇帝)」は男性名詞なので、

Der neue Kaiser(その新しい天皇は

(「その」男性・1格の定冠詞)+(「新しい」形容詞)+(天皇・皇帝)

となるはずなのですが、様々な国にいる王族や皇帝の中でも、さらに「日本の」天皇であるということで、「Japans(日本の)」という修飾語が付きます。

英語と全く同じ綴りの「Japan(読みはジャパンではなくヤーパン)」で「日本」となりますが、このような固有名詞に「s」を付けるだけで、「~の」という所有を表す言葉に変化させることができます。英語の「~’s」と同じですね。

そして、固有名詞を所有格にして名詞を修飾する場合には、定冠詞や不定冠詞などの冠詞は要りません。つまり、最初の定冠詞「Der」を外して「Japans」を付ければよいので、

Japans neuer Kaiser(日本の新しい天皇は

(「日本」の所有格形)+(「新しい」形容詞)+(天皇・皇帝)

となります。

ここで、間に挟まれる「neue(新しい)」は無冠詞の場合の格変化を起こすので、「neuer(新しい)」と語尾が変化していることに気をつけましょう。

【解説2】リード文①

リード文①

Knapp ein halbes Jahr nach seiner Amtsübernahme hat Japans neuer Kaiser Naruhito seine Inthronisierung verkündet.

(日本語訳:就任からほぼ半年が経ち、日本の新天皇・徳仁(なるひと)は自身の即位を宣言した。)

続いてリード文に入ります。

タイトルは若干ミスリードでしたが、すぐ後のリード文で、天皇に就任(即位)したのはほぼ半年前の5月1日であることをきちんと説明していますね。

文構造

こちらも「主語」「述語」「それ以外」に分けていきます。

Knapp ein halbes Jahr nach seiner Amtsübernahme hat Japans neuer Kaiser Naruhito seine Inthronisierung verkündet.

   期間:彼の就任からほぼ半年経ち  現在完了形haben(枠構造)

主語:日本の新天皇・徳仁  目的語:彼の即位を  述語:宣言した

どこが主語の部分かお分かりになりましたでしょうか?

ドイツ語では最初の部分が主語になるとは限りません。少し長ったらしいですが、最初の部分は「天皇陛下が即位された5月1日からほぼ半年が経った」という期間を表しています。

読みながら上のように文構造を分解できると、ドイツ語の文章もスムーズに読めるになります。

この文では、ドイツ語の特徴的な文法である「枠構造」が使われています

ここでは、「枠構造」について詳しくみていきましょう。

「枠構造」とは?

ドイツ語の文の中では、成分的に2番目の位置に必ず述語(動詞)が来ます。また、その動詞と結びつきが強い単語は、文末に置かれる傾向があります。このため、文の2番目と文末に述語となる単語が置かれ、その他の成分は、文頭あるいは2番目から文末までの間に置かれることになります。よって述語の単語が他の成分を囲い、文の枠を作っているように見えることから、「枠構造」と呼ばれています。

☆ドイツ語で過去を表現する「現在完了形」や動詞の接頭部分が分離して文末に置かれる「分離動詞」、助動詞を使った場合の「助動詞+動詞」など、非常に多くの場面で「枠構造」が出てきます。やや専門的な文法用語ですが、ドイツ語を本気で習得するならば必須の項目でしょう。

ちゃんと説明すると上のようになるのですが、上記の説明だとなかなか分かりにくい人もいると思うので、例文で見ていきましょう。

例文)Das Mädchen sucht eine Puppe.

(訳:その女の子は人形を探している。)

黄色のマーカーがしてある「sucht(探す)」に注目しましょう。

この例文を、「枠構造」が使われる代表的な文法「現在完了形(ドイツ語の過去表現)」の文に直してみます

例文2)Das Mädchen hat eine Puppe gesucht.

(訳:その女の子は人形を探した。)

「現在完了形」は、「haben」+「動詞の過去分詞」で作ります。

ここでは主語の3人称単数に合わせて、「haben」は「hat」に変化しています。また、「suchen(探す)」は過去分詞となるので「gesucht」に変化しています。

すると、まず最初の「hat」は成分的に2番目の位置に置かれます。もともと「suchen」があった場所ですね。

しかし、その後の「gesucht」は「hat」という動詞と強い結びつきがあるため(「haben」+「動詞の過去分詞」で現在完了形を作るから)、文末に置かれます

結びつきが強いから文末に置く、というのは何とも不思議な感じがしますが、これがドイツ語の「枠構造」という文法の特徴です。

2番目と文末に述語の成分が来ましたね。例では文が短いので実感しづらいですが、文が長くなればなるほど述語の成分で囲うように枠を作っていることが見て取れます。

語句の意味

文中で難しい語彙がいくつかあるので解説します。

文中語彙の意味
  • die Amtsübernahme:就任(女性名詞)
  • die Inthronisierung:即位(女性名詞)
  • verkündet:告げる、宣言する(動詞/verkündenの過去分詞形)

最初のAmtsübernahmeは、Amt(役職)とÜbernahme(引継ぎ)に分けることができます。「役職」の「引継ぎ」なので言ってしまえば「就任」となるのですが、天皇という地位(役職)を先代から引き継いだという、そうした流れを汲み取った単語がきちんと使われていることに感動しますね。

2つ目のInthronisierungですが、これはドイツ語を勉強している人であればすぐに女性名詞だと気付くはずです。

ドイツ語の単語には、「~ung」という名詞がたくさんあります。「~ung」の形はほぼ間違いなく女性名詞なので、名詞の性で困ることは少ないです。このような見分け方は他にもたくさんあるので、興味があれば調べて一覧にしておくと単語の理解も速くなるでしょう。

「knapp」の使い方とイメージ

最後に、文の最初に出てくる「knapp」という単語について説明します。

「knapp」は、「かろうじて」や「ぎりぎり」と訳されることが多い単語です。

今回の文では、「Knapp ein halbes Jahr」と出てきますが、皆さんはこれを見てどんなイメージを持つでしょうか(そしてどう訳すでしょうか)?

「ein halbes Jahr」は、「半年」で問題ないですね。

では、「Knapp ein halbes Jahr」は、半年よりも多いでしょうか少ないでしょうか?

ここでは、天皇陛下が即位した5月1日から半年経つ日付を考えています。5月1日からちょうど半年というと11月1日です。この記事は10月22日に報じられたのでぎりぎり半年に満たないですね。

そうです。「knapp」は「かろうじて(満たない)」「ぎりぎり(満たない)」という暗黙の了解が含まれた単語なのです。

忠実に訳すとすれば、「半年弱」といった表現が適切でしょうか。しかし、日本語で言う「○○弱」という言い方だと減らしすぎになる場合があります。

ほんのあと少しで満たすところだった」くらいのイメージを持つといいでしょう。

【解説3】リード文②

リード文②

Die jahrhundertealte Zeremonie fand vor 2000 Würdenträgern aus dem In- und Ausland statt.

(日本語訳:国内外から招かれた2000人もの要人の前で、何世紀もの歴史を持つ式典が執り行われた。)

リード文の2つ目です。

非常に多くの招待客が世界中から集まって式典が開催されたことをよく表している一文ですね。

慣れている人であれば枠構造であることも一瞬で分かります。詳しくみていきましょう。

文構造

まずは文構造です。

Die jahrhundertealte Zeremonie fand vor 2000 Würdenträgern aus dem In- und Ausland statt.

主語:何世紀もの歴史を持つ式典 述語:開催された(枠構造・分離動詞)

前置詞句:国内外から招かれた2000人もの要人の前で

シンプルな構造です。

既に先述した「枠構造」の説明をした際の構造と全く一緒ですね。動詞が分離動詞になっていることだけお気を付けください。文頭に主語があり、他の要素は前置詞(vor、aus)があるので見分けるのも容易でしょう。

分離動詞「stattfinden」

この文の動詞は、「stattfinden(開催される)」という頻出単語です。

式典やイベントなどが開かれるときによく使われる単語なので、ニュース記事にもしょっちゅう登場します。

この単語は、ドイツ語特有の「分離動詞」という動詞になります。

分離動詞」とは?

ドイツ語の動詞の中には、もともとは1つの動詞が、文中では前の成分と後ろの成分の2つに分かれるものがあります。このような動詞を「分離動詞」と呼びます。分かれた動詞は「枠構造」を作るため、「後ろの成分」が文の成分的な2番目に位置し、「前の成分」は文末に置かれます。

ここでは、「stattfinden」が「statt finden」と前の成分と後ろの成分に分かれ、前の成分である「statt」は文末に置かれていることが分かります。

一方、後ろの成分の「finden」は過去形を作って「fand」に変化しています。

前置詞の意味に注意!

どの言語でも、前置詞の意味は重要です。

ここでは前置詞が多く登場しているので、まとめて理解しておきましょう。

まずは、「vor 2000 Würdenträgern」の「vor」です。

「vor」の意味は主に、時間であれば「~前」、人や物であれば「~に面して」と覚えておけば十分です。ここでは後に「Würdenträgern(要人の方々)」とあるので、その方たちに面して式典が行われたという意味で取れば問題ありません。

また、「aus dem In- und Ausland」の「aus」は、「~から」という出身や起点を表すことが多いです。「Inland」で「国内」、「Ausland」で「海外」ですから、国内外「から」やってきたという意味で自然ですね。

「Woher kommst du?(どこから来たの)」という問いに対して「Aus Japan.(日本からです)」という答えは初歩的な会話としてよく登場しますが、ここでの意味と本質的には全く変わりません。

つづきは・・・

ここまでお読みいただきありがとうございます。ドイツ語の勉強お疲れさまでした。

まだリード文ではありますが、この続きとなる本文はまた次回の記事で解説していきます。良ければ是非続きもご覧ください!

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